※ No003~は音声配信、No041~はビデオ配信になりました。
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No042 令和2年5月 |
「寺子制誨之式目 てらこせいかいのしきもく 」を読む…大坂の寺子屋師匠・笹山梅庵が元禄8年5月に綴った寺子屋規則を書道手本にしたもの。無筆の恥を強調する第1条から始まる37カ条と後文から成る教訓で、寺子屋内での学習態度を始め、師・親・友人等との関わりにおける諸教訓にも説き及ぶ。全国各地の寺子屋規則の模範とされ、同文または改編本など無数の写本が伝わっています。 |
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No041 令和2年4月 |
「武田手習状 たけだてならいじょう 」を読む…武田信玄が永禄元年(1558)5月に書き記した教訓書に仮託して、手習いの心懸けを中心に日常百般の教訓を説いた往来物。伝本が少なく、作者の詳細も不明の『武田手習状』(恐らく甲州板)。手習いの心得を合戦に譬えて説く趣向はオリジナルの『手習状』とそっくりですが、「人は一言を出(いだ)して其の胸中を量(はか)る」などの金言名句が随所に煌(きら)めいています。 |
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No040 令和2年3月 |
「農家手習状 のうかてならいじょう 」を読む…男性向けの『手習状(初登山手習教訓書)』を模した農業系の「手習状」ですが、前回の『農業手習教訓書』とは異なる往来物です。こちらは仙台板で何度か刊行され、ある程度の普及を見ました。手習いよりも農民生活の心得と農業関連の用語を多く盛り込んだ文章を、語呂の良い七五調で綴るのが特徴です。勤勉な農民生活を心懸け、「人々しく(人並みに)」生きる大切さを教えています。 |
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No039 令和2年3月 |
「農業手習教訓書 のうぎょうてならいきょうくんしょ 」を読む…『手習状(初登山手習教訓書)』を模して書かれた農業系の「手習状」ですが、手習いよりも農民生活の心得が中心です。作者は、米沢の普済寺5世住職の栄岳で、彼が自費出版し無料で配布しました。時は天明の大飢饉の最中でしたが、農業が国の基本であることを諭し、日々の指針としての四計を示して「計画則実行」の勤勉な生き方を教えています。米沢で刊行された田舎板のため伝本が極めて稀ですが、今回はその全文を読みます。 |
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No038 令和2年2月 |
「女手習状(享保17年) おんなてならいじょう 」を読む…男性向けの『手習状(初登山手習教訓書』にならって女性向けに手習いの意義や心得を説いたもの。厳密にはいくつかの系統に分かれますが、享保17年板は刊記が明らかな最古本で、この往来物の始祖となった系統です。「心ほどの世を経る」と人生を達観した教訓も含み、現代人も玩味したいものです。 |
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No037 令和2年1月 |
「孝行文章 こうこうぶんしょう 」ほかを読む…江戸後期、久留米の手習師匠および門人が上梓した手習本3点(孝行文章・手習肝要記・書筆策励記)を読みます。作者は筑後国浮羽(うきは)郡田主丸(たぬしまる)村(現・福岡県久留米市)の手習師匠、山田得之進で、他の伝本が知られぬ極めて珍しい田舎板です。 |
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No036 令和元年12月 |
「庄屋日記 しょうやにっき」を読む…現存唯一で、流布本『庄屋往来』の先駆けと考えられる往来物「庄屋日記」は一部異同があるが『庄屋往来』ほぼ同様で、庄屋子弟に庄屋に必要な教養(用語)と心得を教えた往来物。現存本は数点であるが、諸本との異同にも触れながら、全文を読みます。 |
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No035 令和元年11月 |
「喜撰往来 きせんおうらい」を読む…最近発見の製茶業に関する唯一の往来物(茶道に関する往来物は『喫茶往来』『本朝茶経』などがある)。全750字の短い文章ながら、茶の効用、宇治茶の歴史、製茶の流れや保管法、取引上の諸知識や帳簿の記録や販売など、実際の業務に関わる内容が多いのも特色。筆者は栂尾の製茶業に関わる14歳の少年。 |
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No034 令和元年10月 |
「草津温泉往来 くさつおんせんおうらい」を読む…往来物の作品だけでも約60点を著した十返舎一九。その中でも興味深い記述に溢れた『草津温泉往来』。高崎~草津の沿道と草津温泉の名所・旧跡・名湯・名産品など旅行ガイドブック並みの情報が満載。参考資料として幕末~明治の草津温泉全景図各種と日本全国東西温泉番付も収録。 |
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No033 令和元年9月 |
「随所往来 ずいしょおうらい」を読む…最近発見された『幼童教種草稿』は、明治初年の下野国佐野地方の手習師匠の直筆本だが、その中から、下野とりわけ佐野地方の物産や織物業に関する「随所往来」を取り上げる。織物の規格や相場、また、工夫次第で得られる利益など経営面にも触れる点で近代的な様相を帯びる点で異彩を放つ。 |
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No032 令和元年8月 |
「道中往来(禿箒子作) どうちゅうおうらい(とくそうしさく)」を読む…『道中往来』と称する往来物にはいくつかあるが、禿箒子作、安永5年刊『道中往来』は、『商売往来』の文言に似せて、旅行心得全般を述べたもの。旅支度から旅行中の病気や怪我、詐欺・盗難に対する用心など、江戸の旅を彷彿させる記述が満載。 |
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No031 令和元年7月 |
「塩浜実語教 しおはまじつごきょう」を読む…主に江戸後期、周防国の瀬戸内海沿岸で使用された往来物で、同地域の製塩業を扱った貴重史料。『実語教・童子教』の文言に似せて綴った「塩高故不貴。以有利為貴。浜肥故不貴。以有実為貴」で始まる漢字5字1句を基本とする合計218句で製塩業者の生活心得や実務上の基本を記す。労使関係や生産調整などにも触れる異色の産業科往来である。 |
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No030 令和元年6月 |
「婚礼往来 こんれいおうらい」を読む… 江戸時代の婚礼の要点を述べた往来。冒頭で、婚姻の大切さや分限に応じた婚礼儀式について述べ、続いて「結納」「嫁入」「婚礼」「見参」の順に、身分の違いにも触れながら式礼・膳の次第などについて比較的詳しく説く。 |
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No029 令和元年5月 |
「さざれ石 さざれいし」を読む… 長谷川妙躰の初期の女筆手本の一つ、正徳3年刊『さざれ石』は、時候の手紙や用件の手紙など、いくつかの例文を散らし書き(一部、並べ書き)にした女筆手本です。メリハリのある文字や糸を引く様な連綿体など、妙躰流の特色をよく示した優雅な書道手本です。女筆手本特有のくずし字や表現、また、散らし書きの読み方などを学びます。 |
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No028 平成31年4月 |
「女実語教・女童子教 おんなじつごきょう・おんなどうじきょう」を読む… 江戸庶民に広く知られた『実語教・童子教』になぞらえて女性の心得を説いた居初津奈の『女実語教・女童子教』は、元禄8年に津奈自筆・自画の初板本(絵入り女筆手本)を先駆として約30種出版された代表的な女子用往来です。今回は初板本の全文を読み、さらに関連の文献も紹介します。 |
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No027 平成31年3月 |
「泰平往来 たいへいおうらい」を読む… 幕府の正月行事の有様や、徳川将軍家の威光と余沢、さらに江戸府内の範囲や繁栄ぶりを記した往来物(伝本は全国に数本の稀書)。江戸後期の『御江戸年中往来』も紹介しつつ、その特色を説明します。 |
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No026 平成31年2月 |
「寺子往来 てらこおうらい」を読む…『商売往来』の作者、堀流水軒が著わしたもう一つの著名な往来物である『〈堀氏〉寺子往来』は、「用文章」「沽券状」「預り証」「諸請状」「寺子教訓書」「船由来記」からなる往来物です。このうち、寺子屋に通う子供の心得を説いた「寺子教訓書」は、後に『通俗教訓往来(教訓往来)』として多くの板種を生み、後世に多大な影響を与えました。 |
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No025 平成31年1月 |
「商売往来 しょうばいおうらい」を読む…元禄~享保期にかけて約20種もの往来物を著した堀流水軒の代表作といえば、紛れもなく『商売往来』である。産業科往来の先駆であり、他の職業別の往来物に甚大な影響を与え、『商売往来』とその類書で優に200種を越す。今回は約1050字の全文を音読し、その意義についても触れる。 |
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No024 平成30年12月 |
「てみやげ」を読む…小町玉川最後の著作『てみやげ』では、まず、出産が人為ではなく、子供が天からの預かり物であることを強調した上で、子供の喧嘩で我が子を戒めることや、人間の死と向き合わせる重要性を説き、「叱る前に誉める」など7カ条の心得を掲げた。 |
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No023 平成30年11月 |
「自修編 じしゅうへん」を読む…50歳から中風と戦いながら晩年を精力的に過ごした漢学者・小町玉川の著作。上総・下総など関東各地で平易な教えを説いた晩年の講話録。人の善悪・一生に決定的な影響力を持つ幼児期を「童習、心為る」と端的に表現し、この時期の親(主に父親)の姿勢を諭した。 |
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No022 平成30年10月 |
「微味幽玄考 びみゆうげんこう」を読む…江戸後期の農民指導者、大原幽学の主著『微味幽玄考』は門人の学習用に書かれた性学のテキストであるが、そのうち誕生から女子13歳、男子15歳までの詳細な発達教育論を展開した「子育部」を読む。幼児の心身の発達をつぶさに観察した幽学が「才走り」を避ける育児の秘訣を説く。 |
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No021 平成30年9月 |
「五倫訓(礼学童蒙必用) ごりんくん(れいがくどうもうひつよう)」を読む…大館天涯作、天保7年(1836)刊『五倫訓』は修身斉家の要諦として礼学(礼儀・威儀兼備の礼法)と五倫を諭した教訓書。付録の「礼学童蒙必用」で、「数え2歳からは、毎朝、母が子供を抱きながら両手を合わせ、父に挨拶することを教えよ」と説くが、今回はこの付録を読む。 |
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No020 平成30年8月 |
「翁問答おきなもんどう」を読む…中江藤樹作。寛永18年(1641)初稿、没後門人の校訂を経て慶安3年(1650)初刊(慶安2年板は海賊版)。天君と称する老師と門弟の体充(ていじゅう)の問答に仮託して綴った教訓。「胎教」の重要性をいち早く説き、子育ての根本が徳教にあることを強調した。 |
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No019 平成30年7 月 |
「日新館童子訓にっしんかんどうじくん」を読む…会津藩5代藩主・松平容頌が儒者・神道家たちの協力を得て執筆した後、幕臣・屋代弘賢の校訂を経て文化元年(1804)刊。藩の要職者・日新館関係者のほか藩士全員に配られた。全て日本古今の逸話で、上は神・天皇から下は農工商までの75話を集めるが、うち19話は会津藩領の実話。 |
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No018 平成30年6 月 |
「武小学 ぶしょうがく」を読む…自ら「止戈学士」と称した会津藩士・兵法家の伊南芳通が貞享3年(1686)に著した『武小学』は近年まで詳細が不明であったが、小泉が原本を発見した。冒頭に「教育」篇を掲げるが、育児書での「教育」の用例では最も古い。徹底した修己と武人教育を説く『武小学』の教育論の要点を読む。 |
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No017 平成30年5 月 |
「初学文宗 しょがくぶんそう」を読む…尾張藩初代・徳川義直最晩年の啓蒙的著作。慶安3年(1650)作で未刊。冒頭に胎教から70歳までの随年教法あるいは生涯指針の大要を説く。短文ながら為政者の撰作であり、近世初期の年代別教育論として注目される。 |
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No016 平成30年4 月 |
「六諭衍義小意 りくゆえんぎしょうい」を読む…中村三近子(平吾)作。享保16年(1731)刊。『六諭衍義大意』を敷衍した往来物。巷間に流布していた『大意』の尊さを童蒙に教えるために、『大意』の付録として編んだもの。庶民生活上の卑近な具体的例に結びつけるなど、『大意』よりも平易に説くのが特徴。 |
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No015 平成30年3 月 |
「六諭衍義大意 りくゆえんぎたいい」を読む…享保6年刊『〈官刻〉六諭衍義』とともに徳川吉宗の命によって庶民教化用に編まれた官刻の往来物。編者、室鳩巣の序に、庶民の実情に合わない「律例(法度の箇条)」と「古人の事跡」を省き、その「大略をとりて、和語をもて、是をやはらけ」たと述べる。基本文献である本書を通読する。 |
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No014 平成30年2 月 |
「武教全書講録 ぶきょうぜんしょこうろく」を読む…江戸後期の農民指導者、大原幽学の主著『微味幽玄考』は門人の学習用に書かれた性学のテキストであるが、そのうち誕生から女子13歳、男子15歳までの詳細な発達教育論を展開した「子育部」を読む。幼児の心身の発達をつぶさに観察した幽学が「才走り」を避ける育児の秘訣を説く。 |
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No013 平成30年1 月 |
「女学校発起之趣意書 じょがっこうほっきのしゅいしょ」を読む…天保8年(1837)、下級幕臣で増上寺領御霊料(現在の目黒区・世田谷区~川崎市)地方役人の奥村喜三郎の私家版で、女性風俗の乱れを防ぐ女学校の設置を呼びかけた。「女学校」の語を冠した最初の著作で、徳育中心の良妻賢母主義の女子教育の先駆として注目される。 |